【MM】China market insider 2022/10/26

中国
Industrieelle Produktion und Chinesische Flagge

Maschinenmarkt誌のシリーズ、China market insiderに
党大会を終えた習近平発言が取り上げられている

ドイツの産業界は、今後の中国が取る政策をどう見たのだろう?

Was Unternehmen von der aktuellen China-Politik erwarten müssen
(Bild: © Eisenhans - stock.adobe.com) Aktuelle Äußerungen von Chinas Staatschefs Xi Jinping deuten auf eine rückwärtsgewandte Entwicklung bei der Wirtschaftspol...

ゼロコロナ政策堅持

何よりゼロコロナ政策の維持、これが重くのしかかる
とても悲観的なコメントになっている

経済的に困難な状況が広がりを見せている中国

第20回共産党大会を終えて、異例の第3期に突入した党書紀・首相の発言は
経済成長を全く気にしないという意志の表れなんだろうか?

経済専門家は、今年第3四半期の成長率を3%程度と見ている
Bloombergは、3.3%と予測している

他のアジアの国の経済成長が中国を上回る

中国は、今年の経済成長を5.5%と想定しているが
その実現は無理だろう

世界銀行によれば、中国を除くアジアの成長率は5.3%と見込まれており
ここ最近では初めて、中国以外のアジアの成長が中国を上回ることになりそうだ

党大会を終えての習近平総書記の演説内容

柔軟性のシグナルを期待していたが、その期待は裏切られた

柔軟性と言っているのは
経済成長を必要と判断して、現状の厳しい制限を柔軟に運用するということ

しかし、演説で言ったことは・・・

ゼロコロナ政策は全く正しい
多くの人民の命を救っているし、国際的にも高く評価されている

中国駐在のドイツ、欧州の経済界代表は
3年にも及ぶ隔絶された中国、1週間以上の隔離を緩和して欲しいと思っており

中国以外の国々は新型コロナとの共生を始めているが、中国だけは違う
そういう風に考えている

習総書記が言った
ウイルスとの戦いは「ダイナミックに」行われなければならない

良くは分からないが
これが唯一裏口を開けたままにした発言だったと解釈し

既に隔離期間が短縮されるのではないかという憶測さえ流れているそうだ

EU商工会議所北京事務所は、演説を聞いて
経済成長と安定を犠牲にしている、と表現している

自給自足は中国にとって重要な目標であることに変わりない

米国との経済・テクノロジー戦争の影響もあって
独自の開発を余儀なくされた面もあるが

中国は
半導体、電気自動車、AI、再生可能エネルギー、自動化、ロボット
などのハイテク産業に注力することになる

それはドイツにとっても悪いことではない

中国政府が潤沢な補助金を出すことは
ドイツにとって大きなビジネスチャンスだからだ

中国の経済成長ブームは終焉したのか?

2桁成長はもう過去のこと
それでも中国市場は魅力的なんだろうか?

いまは「共同富裕」というスローガンを掲げている

演説の中で「セキュリティ(確実性)」という単語を7回使ったらしい

そこに含まれていたのは

  • 戦略的に重要な製品を内製化する
  • 食料とエネルギー
  • データセキュリティ
  • 領土のセキュリティ
    など

もはや経済とその成長は最優先事項ではない

経済成長率が優先されるのではなく
富の分配による繁栄を目指していくということだ

政府がターゲットとする戦略的産業にはお金を使うが
おそらく、その恩恵を大きく受けるのは国営企業がメインで
民営企業はさほどではないだろう

外国企業の業務への干渉強化か

中国に進出している外国企業には、規制介入が増えることが予想される

サイバーセキュリティの分野などはその典型で
「コンプライアンス」やビジネスをとにかく難しくしている

今後、予測される方針は

  • 旧来の社会主義や国家経済への逆戻り
  • 鄧小平の全盛期の改革開放政策の凍結維持

それだけに留まらず
毛沢東時代を復活させる修正主義的な政策も追求するという

つまり、以下のような状況が想定される

  • 外国に対する攻撃的なトーン
  • 中国の世界支配の夢
  • 国内での警察・監視国家の強化

外資系企業の多くは現在、中国戦略に疑問を抱いている
これまでは、主に「様子見」の方針がとられてきた

米国は西側の国々に、対中強硬姿勢を要求しているが
中国市場はあまりにも大きく、あまりにも重要であるため
安易に米国の意向に従うことはできない

チャンスは大きい、しかしそれを活かすのは難しい

ドイツ自動車産業のフォルクスワーゲンやBMW
その下請けであるZFやBosch
さらに化学分野の企業などが、引き続き中国での投資を予定している

しかし、中小企業にとっては
中国の政策がますますイデオロギー的になっていることを考慮して
その長所と短所を比較検討する必要性が高まっている

既に起きている「China +1」とか「China +1,2,3」と言われる現象

つまり、中国以外の周辺国である
ベトナム、マレーシア、タイなどにも分散進出することは
多くの企業で検討されることだろう

ゼロコロナ政策変更と自らの中国隔絶策の緩和がすぐにでも実施されなければ
外国企業の中国脱出は加速するだろう

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