工作機械にもサブスクの波が来ている・・・

工作機械

サブスクリプションという単語が専門誌を読んでいたら目に入った

Maschinenpark der Zukunft: Abonnement statt Kauf per Kredit
Müssen teure Maschinen angeschafft werden, geht dies meistens nicht ohne Kredit. Einen Ausweg bietet ein Abonnement- oder auch Subscription-Modell.

実は、サブスクとリースの違いもよく分かっていなかったので
それを確認するきっかけになるかな、という期待もあった。

まずは、記事のトップ見出しですが

機械産業におけるサブスクリプションモデル
未来の機械設備:銀行融資購入からサブスクリプションへ

銀行融資のハードルは中小企業にとって上がっている

エネルギー価格の大幅な上昇は、中小企業に特に大きなプレッシャーです

収益が悪化している企業に、銀行は冷たい。
これは昔からずっとで、銀行は融資に非常に慎重になっています。

高価な機械を新規購入する場合、通常、銀行からお金を借りることになる。

中小企業にとって融資を受けるハードルは、2022年秋ほど高かったことはなかった。
そういうのは、Kreditanstalt für Wiederaufbau(復興融資公庫)。

サブスクリプションモデルが救世主になれる・・・

B2B分野では、サブスクリプションモデルというビジネスモデルが浸透しており、
これが機械設備でも解決策になるのではないか、という提案です。

機械設備の導入がどう変わるのか?

機械を購入する必要がなくなる。

多くの中小企業にとって、投資金額が高いので銀行融資を検討するが、
銀行は融資を認めないことが多いので、設備投資ができない。

その代わりに、サブスクで使用料を月々支払う形だったら、
得た収入から支払えば、何とか回転させることができる。

貸す側も、長期的な顧客関係を維持できるから
サブスクリプションがビジネス界に浸透している現在は

機械設備に多額の投資をすることは時流にマッチしているとは言えない

現実的に、機械・プラント建設業界の大手企業は、いわゆるサブスクリプションで商売をしている

欧州では、サブスクリプションによる売上は、2015年から約60倍に増加している。

SaaS(Software-as-a-Service)からEaaS(Equipment-as-a-Service)へ

Industrial IoTの専門家Relayrが、Forsaに調査委託した結果がおもしろい。

調査対象となった決定権者の86%が、現在EaaS(機器としてのサービス)を検討していると回答している。

そして、その内の80%がEaaSモデルを導入している。

今のところ、機械メーカではわずか14%しか独自のEaaSを提供していないから
ここは、まだまだ改善の余地があるという。

製品中心のビジネスモデルといえる一回の支払いによる売上から
顧客中心のビジネスモデル、つまりサブスクのようなサービスへの流れは今後も強まるだろう。

機械メーカにとっても大きなメリットになる

機械産業での倒産状況は、対策の必要性があることを明確に示唆している

ドイツの機械・プラントメーカは世界をリードするポジションにいる。
中小企業には、あまり知られていないニッチな分野で優れた技術を持つ「隠れたチャンピオン(hidden champions)」が多い。

しかし、2021年に最も倒産件数が多かった業種が機械産業だった。

専門ポータルサイト「Maschinenbau.de」によると
年間売上高が1000万ユーロ以上ある60社以上の企業が破産申請したという。

倒産の理由は、流動性不足、つまり回転資金が調達できないことだった。
大口の注文が実現しなかったり、注文実行のための先行投資が必要になったりということだ。

これがサブスクリプションモデルであれば、機械メーカも収益が計算しやすくなるから
交渉に時間がかかる高価格の単発案件などに流動性を圧迫されることがなくなる。

考察

サブスクと言っているが、現実的にはリースのことで
これについてはかなり前からビジネスモデルとしては存在している。

しかし、その割合はまだまだ小さく、改善の余地はあるのでしょう。

コピー機ではリースがかなり一般的だと思いますが
工作機械のようなニッチな製品だと、リース会社自体に引き取り後の転売ノウハウがなく
リース会社の対応も、銀行とそれほど変わらないというのが私の理解です。

自動車のサブスクは、最近良く宣伝なども見かけるようにはなりましたが
普及率はどれくらいなのでしょうか?

J.D.Powerの2021年の調査によると
リースもサブスクも認知度は上がっているが、利用しようとする人の割合は10%に満たない。

2021年パルス調査~車の定額制サービス「サブスク」「リース」に関する意識

個人的な意見をまとめたら、こうなった:

  • サブスクは、かなり限定された専門的な知識を必要とするものには当てはめにくい
  • 技術力のある中小企業が、どんどん下げられるコストに苦しんでいることに激しく同情する
  • 大手企業の経営者と評論家の勉強不足が根本にある

経済的利益の追求だけでは、楽しい社会は実現できないよ!

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