ドイツでイノベーションっていうと
どんな技術に注目が集まるのか気になるところです。
まず、そもそもイノベーションって何か?
気になるのは私だけ?
イノベーションに関する考察
日経ビジネスの記事がありました。
シュンペーターっていう名前が登場している。
経済学者のイメージしかなくて、イノベーションには結びついていなかった。
シュンペーターが提唱した「イノベーション理論」というのがあって
ここでいうイノベーションは
技術革新に限らず
社会に新たな価値をもたらす創造であればすべてがイノベーションであるという。
ドイツ・イノベーションアワード 2023
ドイツ語のサイトは↓↓↓
2023年の受賞企業は以下のとおりです。
- 大企業部門:Siemens Mobility
圧縮空気を使わない鉄道車両ブレーキ
これで150年来の技術に終止符を打った。 - 中企業部門:ibs
このセメント添加剤 NovoCrete は、
路面の耐久性を高め、建設期間を短縮し、コスト、建設中の騒音公害を軽減する。 - スタートアップ部門:LUBIS EDA GmbH
開発したのは
半導体の製造において、バグとも呼ばれるエラーの検索を容易にするソフトウェア。
Siemensの圧縮空気を使わない鉄道車両ブレーキ
鉄道ブレーキの歴史
鉄道のブレーキの歴史をある程度は知らないと、何が革新的なのか理解ができない。
簡易な説明の方が理解しやすい、と思って見つけたのが以下のサイト↓↓↓
図があるから分かりやすいでしょ?
確かにエアを使ってブレーキシューを動かす仕組みは変わっていない。
Siemens Mobilityが開発したエアレスブレーキシステム
特徴として挙げられているのは
- 最大40%軽量化され、消費電力が少なくなっている。
- システムが取り扱いやすくなり、さまざまな労力が軽減される。
- 組み立て
- メンテナンス
- 列車のアップグレード時間
- ブレーキアクチュエータに搭載されたセンサーが、実際のブレーキ力を記録する。
これにより、いままで以上に正確なブレーキ力の制御が可能になる。
エアレスブレーキは、すべてのカテゴリーの鉄道車両に使用することができる。
実績としては、2022年からWiener LinienのX-carに標準採用されている。
関連サイトなど
The new air-free brake system from Siemens Brakes(英語)
https://www.mobility.siemens.com/global/en/portfolio/rail/stories/the-new-airfree-brake-system.html
Liebherrのプレスリリース:
https://www.liebherr.com/de/deu/aktuelles/news-pressemitteilungen/detail/liebherr-an-bord-des-neuen-druckluftfreien-bremssystems-von-siemens.html
Siemensの開発者は何を思っているか
Siemensの前出のサイトに質疑応答があります。
Q. エアブレーキはすでに150年前から鉄道車両に使われていますが、今後はエアブレーキが否定されるといったことはあるのでしょうか?
A. Robert Steinfelder: 基本的に、エアブレーキを否定することはありません。何十年にも渡って実証され、改良が繰り返され、将来も鉄道車両に使われ続けるでしょう。私たちの目的は、この技術的な飛躍によって、シーメンス・モビリティのユニークなセールスポイントを生み出すことでした。なぜなら、エアブレーキはこれ以上最適化できるかというと、システムとしての限界に達していると考えているからです。